【ちょっとした空き時間に読める小説】 お父さん

「ひ」の人

最近、お父さんが夜俺が寝静まってから、お母さんの仏壇に話しかけている。恐らく俺が養子であることをいつ打ち明けたらいいか悩んでいるようだ。

「俺が父さんじゃないといつ伝えたらいいかな?アイツは小学生だけど聡明な子だ。そろそろ伝えた方がいいのかな?なぁ、答えてくれよ…。」

少しショックだった。俺はお父さんの子供じゃないのか。確かに思うところはあった。両親は目が黒いのに俺だけ目が茶色だったり、顔立ちもあまり似ていない。だけど、今まで育ててくれたのはお父さんだ。

だから今日は意を決してそのことを話してみる。

「お父さん。夜トイレに行ったときに聞いちゃったんだけど、本当はお父さんじゃないんだね。でも俺はそんなこと気にしない。今まで育ててくれたのはお父さんだから!」

「そうか。聞いていたか。受け入れてくれてありがとう。お前もそうゆうことに悩む時期かも知れないと思ってそろそろ伝えるべきか迷ってたんだ。悩むこともあると思うが、いつでも頼ってくれ。お前は俺から生まれた大事な娘だからな。」

タイトルとURLをコピーしました