物欲を無くすのは難しい。
近年、断捨離ブームが横行しミニマリストになるための情報が多く存在する。
もし実現できれば夢のような自由な生活が待っているかもしれない。
いざやってみると、
捨てられない
もったいない。せっかく買ったのに。まだ使えるのに。更に店に行くと魅力的なものが大量にありやっぱほしい。買っちゃったの始末。
正直、他の人の成功論を基に物欲を無くすことは難しい。
物欲を無くすには、人生における強烈な経験が自分の中で起こらないとなかなか難しいと思う。
この記事では、私が物欲から解放されたフィリピンでの出逢いについて書いていきます。
フィリピンで気づいたことは
『目に見えないものの価値の美しさ』
だ。
他大学の知人にフィリピンで行われるイベントに誘われた。
そのイベントでは「個人企画」があった。3日間自分の決めたテーマに沿って街に行き、インタビューなどを行うというものである。
参加メンバーは、子どもたちの夢を聞いた人や、和菓子を売ってみたなど、個性のあるテーマで活動していた。
私は、特にやりたいテーマが無く、全然決められなかった。
惰性で「あなたに大切な人はいますか」というテーマを決めた。
当時、私は恋人がいた経験がなく、このまま一生恋愛や結婚ができない人生を歩むことになったときに絶望しない自分を見つけないと、きっと立ち直れなくなると思い、大切な人がいない人、いる人の話を聞きたいと思った。
個人企画の2日目に、他の参加者とスラム街に行った。そこで1歳下(当時21歳)の女性に出逢った。その人には子どもが2人いて、もともとお墓だった場所に住んでいるという形のスラム街で生活していた。見ただけで貧しい生活をしていると感じた。
そこで、「あなたの大切なものは何、何があなたの幸せ」と聞いたら、彼女は
「子どもたちが私たちの幸せ」
と心から言っているように見えた。
そのとき、私の中でズーンと来るものを感じた。物質的に明らかに私より貧しい生活をしているはずなのに、私よりもずっと幸せに見えた。
そのときに、物の豊かさは人生の豊かさとは全く関係ないと感じた。
そこで気づいたことが
『目に見えないものの価値の美しさ』
だ。
そういう心から愛せる存在がすごくほしいと思った。
日本に帰った後に、今まで捨てられなかったものを捨てることができた。旅行や外出のときの荷物を大幅に減らすことができた。
まだまだミニマリストには程遠いが、物への執着が減り、自由になれた。
最近は今までよりも物を買わなくなり、本当に必要な物だけを買うようになった。
完璧に物欲を無くすことはできていないが、物欲から解放された人生は以前より明らかに自由である。
これから、
目に見えない美しいものをひとつでも増やすために心を大切に生きて生きたい。